D700のRAWをLightroomやPhotoshopのCamera RAWで、「Camera 〜」のプロファイル (カメラシミュレート用プロファイル)を使用して現像する場合に問題が起きることがあります。
※現像時のカメラプロファイルについては、Lightroomで のRAW現像とカメラプロファイル をご参照ください。
まずはこちらの画像をご覧下さい。
いずれもLightroomでの現像ですが、カメラプロファイルが上から「Adobe Standard」「Camera Standard(カメラのスタンダードモードをシミュレート)」「オリジナルプロファイル」となっています(他のパラメータは一緒です)。
Camera Standardを使用した場合に問題が出ているのがおわかりでしょうか?
より問題点をわかりやすくするために、彩度を上げトーンカーブで持ち上げたものが下の画像です。
Camera Standardで現像したものは、建物の屋根の影の部分におかしな色が現れているのがわかると思います。
どうもD700のRAWを現像する際、「Camera 〜」と名前の付いているカメラの色調をシミュレートするプロファイルを使用した場合にこのような問題が起きる事を確認しました。
2010年初めくらいに現象を確認し、最新のLightroom 3.3およびCamera RAW 6.3でも同様の現象を確認しています。おそらくAdobe提供のD700用のプロファイルに何らかの問題があると思われます。
グレーに近い色のグラデーション部分でこの現象が確認できるような印象で、他の部分では確認出来たことはないので、問題が顕在化しない事も多々ありますが、「Camera 〜」のプロファイルを使用する場合には注意しておいた方が良いと思われます。
安心なのは、カメラプロファイルにAdobe Standardを使用するか、オリジナルのカスタムプロファイルを作成してしまうことです。
私はAdobe Standardの肌のトーンが今ひとつ好みではなかったため、オリジナルのプロファイルを作成して使用しています。
オリジナルのプロファイルの作成方法については、DNG Profile Editorを使用した独自のカメラプロファイル作成 で解説していますので参考にしてください。
また、LightroomでのRAW現像とカメラプロファイル では自分の作成したプロファイルも配布しています。
2011-04-19
2011-04-15
2011-04-14
LightroomでのRAW現像とカメラプロファイル
◇◆◇ はじめに ◇◆◇
LightroomやPhotoshopのCamera RAW(以下面倒なのでLightroomとだけ書きます)では、現像のパラメータにカメラキャリブレーションというセクションがあり、カメラプロファイルを選択する事ができます。
デフォルトではAdobe Standardというものになっていたと記憶していますが、Camera ~ となっているプロファイルを選択すると、使用しているカメラのカラーモードに近い色で現像する事ができます。
また、カラーチェッカーとAdobe DNG Profiles Editorを使用してオリジナルのカメラプロファイルを作成して使用することも可能です。
私はColor Checker PassportとDNG Profile Editorを使用してオリジナルのプロファイルを作成し、Lightroomでの現像時に使用しています。
(Color Checker Passportにもプロファイル作成ソフトがついているのですが、発色が好みではなかったので使用していません)
◇◆◇ カメラプロファイルによる絵の違い ◇◆◇
オリジナルプロファイルの作成手順(簡易版)は後のエントリーでということにして、まずはカメラプロファイルによってどの程度出てくる絵に違いが出てくるかを見てみたいと思います。
(クリックで拡大できます)
左上がD700が生成したJPEG(ポートレートモード)で、それ以外がそれぞれ
となっています。
各プロファイルの特徴を簡単にまとめると
・Camera Portraitは、カメラのポートレートモードをシミュレートするプロファイルだけあり、比較的近い発色になっています。
・Adobe Standardは、やや赤味が強い傾向。コントラストは強めで、肌が白く飛び気味。
・オリジナルプロファイルは、肌の階調はD700のJPEGに近く、全体的に緑かぶり気味な点を解消。肌部分のシャドウにも彩度があり、全体的に発色が良い。
という感じになると思います。
◇◆◇ まとめ ◇◆◇
個人的に特に人物ではオリジナルプロファイルの発色が好みで、最近はこれがデフォルトになっています。緑かぶりをちょっと解消する為にカメラキャリブレーションの他の値をいじったりして、現状デフォルト設定は下記のような感じで、必要に応じて微調整しています。
(例えば青いイルミネーションがあった場合、彩度が高すぎてボケが綺麗に見えなかったりする場合があるので、ブルー色度座標値の彩度をマイナス方向にかなり下げたりします)
これに加えて、基本補正で白飛び軽減を5、補助光効果を10、黒レベルを6に設定したものが、いま私が使っているデフォルトの設定です。
どのプロファイルからスタートしても、各種パラメータの調整によって同じ様な絵にすることは可能だとは思いますが、最初からある程度好みになっていた方が楽なのは自明です。
Lightroomではすべての現像パラメータの初期値を指定した値で保存できますが、特に色のパラメータを激しく調整したものをデフォルトとしてしまうと、今度はそこから絵作りしていく際の調整幅が狭くなってしまうという問題も出てくるため、カメラキャリブレーションの部分であらかじめ調整しておくのが良いと考えています。
Lightroomで思い通りの色がなかなか出ない、という場合には、まずカメラキャリブレーションのカメラプロファイルを調整するところからはじめてみるのがよいかもしれません。場合によっては、オリジナルのプロファイルを作成してみるのも、自分だけのフィルムを作る感覚で面白いかもしれません。
◇◆◇ おまけ ◇◆◇
私が今使っているD700用のオリジナルプロファイルを下記からダウンロードできます。
D700ユーザーの方はもし良ければ試してみて下さい。
http://visible.jp/downloads/D700_Yuria.zip
◇ 使い方 ◇
1. zipを解凍して出来た「D700 - Yuria.dcp」を下記の場所にコピーします
※Windows環境は実際に確認してないので間違えていたらご指摘お願いします!
2. Lightroom/Photoshopを再起動します。
3. カメラキャリブレーションのプロファイルで「D700 - Yuria」を選択します
(4. 私のデフォルト値と同じにする場合はグリーン色度座標値の色相を+24、ブルー色度座標値の色相を-2に設定します)
以上、カメラプロファイルについてお送りしました。
LightroomやPhotoshopのCamera RAW(以下面倒なのでLightroomとだけ書きます)では、現像のパラメータにカメラキャリブレーションというセクションがあり、カメラプロファイルを選択する事ができます。
デフォルトではAdobe Standardというものになっていたと記憶していますが、Camera ~ となっているプロファイルを選択すると、使用しているカメラのカラーモードに近い色で現像する事ができます。
また、カラーチェッカーとAdobe DNG Profiles Editorを使用してオリジナルのカメラプロファイルを作成して使用することも可能です。
私はColor Checker PassportとDNG Profile Editorを使用してオリジナルのプロファイルを作成し、Lightroomでの現像時に使用しています。
(Color Checker Passportにもプロファイル作成ソフトがついているのですが、発色が好みではなかったので使用していません)
◇◆◇ カメラプロファイルによる絵の違い ◇◆◇
オリジナルプロファイルの作成手順(簡易版)は後のエントリーでということにして、まずはカメラプロファイルによってどの程度出てくる絵に違いが出てくるかを見てみたいと思います。
(クリックで拡大できます)
左上がD700が生成したJPEG(ポートレートモード)で、それ以外がそれぞれ
・右上:Camera Portraitを使用
(カメラのポートレートモードをシミュレート)
・左下:Adobe Standardを使用
・右下:オリジナルプロファイルを使用
となっています。
各プロファイルの特徴を簡単にまとめると
・Camera Portraitは、カメラのポートレートモードをシミュレートするプロファイルだけあり、比較的近い発色になっています。
・Adobe Standardは、やや赤味が強い傾向。コントラストは強めで、肌が白く飛び気味。
・オリジナルプロファイルは、肌の階調はD700のJPEGに近く、全体的に緑かぶり気味な点を解消。肌部分のシャドウにも彩度があり、全体的に発色が良い。
という感じになると思います。
◇◆◇ まとめ ◇◆◇
個人的に特に人物ではオリジナルプロファイルの発色が好みで、最近はこれがデフォルトになっています。緑かぶりをちょっと解消する為にカメラキャリブレーションの他の値をいじったりして、現状デフォルト設定は下記のような感じで、必要に応じて微調整しています。
(例えば青いイルミネーションがあった場合、彩度が高すぎてボケが綺麗に見えなかったりする場合があるので、ブルー色度座標値の彩度をマイナス方向にかなり下げたりします)
これに加えて、基本補正で白飛び軽減を5、補助光効果を10、黒レベルを6に設定したものが、いま私が使っているデフォルトの設定です。
どのプロファイルからスタートしても、各種パラメータの調整によって同じ様な絵にすることは可能だとは思いますが、最初からある程度好みになっていた方が楽なのは自明です。
Lightroomではすべての現像パラメータの初期値を指定した値で保存できますが、特に色のパラメータを激しく調整したものをデフォルトとしてしまうと、今度はそこから絵作りしていく際の調整幅が狭くなってしまうという問題も出てくるため、カメラキャリブレーションの部分であらかじめ調整しておくのが良いと考えています。
Lightroomで思い通りの色がなかなか出ない、という場合には、まずカメラキャリブレーションのカメラプロファイルを調整するところからはじめてみるのがよいかもしれません。場合によっては、オリジナルのプロファイルを作成してみるのも、自分だけのフィルムを作る感覚で面白いかもしれません。
◇◆◇ おまけ ◇◆◇
私が今使っているD700用のオリジナルプロファイルを下記からダウンロードできます。
D700ユーザーの方はもし良ければ試してみて下さい。
http://visible.jp/downloads/D700_Yuria.zip
◇ 使い方 ◇
1. zipを解凍して出来た「D700 - Yuria.dcp」を下記の場所にコピーします
Macの場合
/Library/Application Support/Adobe/CameraRaw/CameraProfiles
または
~/Library/Application Support/Adobe/CameraRaw/CameraProfiles
Windows XPの場合
C:¥Documents and Settings¥All Users¥Local Settings¥Application Data¥Adobe¥CameraRaw¥CameraProfiles
または
C:¥Documents and Settings¥[your username]¥Local Settings¥Application Data¥Adobe¥CameraRaw¥CameraProfiles
Windows Vista以降の場合
C:¥ProgramData¥Adobe¥CameraRaw¥CameraProfiles
または
C:¥Users¥[your username]¥AppData¥Local¥Adobe¥CameraRaw¥CameraProfiles
※Windows環境は実際に確認してないので間違えていたらご指摘お願いします!
2. Lightroom/Photoshopを再起動します。
3. カメラキャリブレーションのプロファイルで「D700 - Yuria」を選択します
(4. 私のデフォルト値と同じにする場合はグリーン色度座標値の色相を+24、ブルー色度座標値の色相を-2に設定します)
以上、カメラプロファイルについてお送りしました。
2011-04-08
ポートレート with SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM
前回購入直後のファーストインプレッションを書いたので、今回はポートレートでの雑感を書いてみたいと思います。
最初に結論を言っておくと「買い」です。
※特に断りがない限り、フルサイズでの使用を想定しています。
※写真はすべて D700 + SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM で撮影
→ 写真アップする時にExif消されちゃってるみたいです( ´д`)
確認したら全部F2.0で撮ってました。ISOは100〜400。
◇◆◇ 寄って良し、引いて良しの使いやすさ ◇◆◇
フルサイズでの50mmは標準レンズと呼ばれるだけの事はあり、一般的なスタジオの広さであれば、表情のアップから全身まで、これ1本でもとりあえずこなせる感じです。モデルさんとの距離感もちょうど良い撮影ができます。
50mmの単焦点レンズとしては大型の部類ではあるものの、普段使用している24-70mm f/2.8などの大口径ズームレンズに比べれば小型軽量であり、撮影時のハンドリングが良い点はメリットです。
◇◆◇ 描写 ◇◆◇
ピンがきているところがシャープなのは最近の単焦点レンズであれば当然として、ボケ味も周辺まで綺麗なのが魅力です。
解放〜F2くらいまでは軸上色収差が見られますが、これは大口径レンズ故に仕方のないところなんだろうと思います。
周辺光量落ちは解放F1.4ではそれなりにありますが、F2くらいではほぼ気にならないレベルです。この辺は、Nikon純正より大きな図体が貢献しているかな?という感じです。
発色は、Nikonの24-70mm f/2.8や85mm f/1.4Gと比較すると、やや赤みが強く出る傾向にあるようです。善し悪しというよりはクセの問題で、違うレンズで撮影した写真を並べて使う場合に気になることがあるかも、というレベルです。
描写としては以前使っていたNikon Ai AF Nikkor 50mm f/1.4Dに比べると隔世の感のあるレンズです。各種収差は1段分以上余裕があり、以前は収差を抑える為にF2以上に絞っていましたが、このレンズは安心して解放から使えます。
※このレビューに掲載しているポートレートではF2程度での使用がメインになっていますが、これは収差が気になるからではなくボケ具合/被写界深度の好みによるものです。
◇◆◇ テンポ良く撮影できるAF速度 ◇◆◇
AFは24-70mm f/2.8と比較してしまうと遅いもののNikonの50mm F1.4Gよりは快適で(こちらは店頭でしか触ったことはありませんが)、ポートレートでもテンポよく撮影する事ができます。
フォーカスが微調整される際に「クックッ」という感じでレンズが動いている感じがするのは少し気にはなりますが、AF速度とのトレードオフと考えれば仕方のないところかなと思います。
◇◆◇ ちょっと気になる点など ◇◆◇
サードパーティー製のレンズでよく耳にするのがAF精度の問題ですが、私の購入した個体もやや前ピン傾向だったので、D700側でAF微調整(+3)をして使用しています。
AF微調整機能のないカメラの場合、ボディとレンズをシグマに送って調整する必要がありますので、使っているカメラによっては注意が必要です。
AF微調整にはこちらのサイトのチャートが使いやすかったです。
http://www.zimbio.com/Digital+Cameras/articles/839/AF+adjustment+test+chart+help+Pentax+K20D
他にもAF微調整用のチャートを公開しているところはありますが、こちらはチャート自体を45度で自立させる事ができ、調整時のセッティングがより容易にできます。
◇◆◇ 細かいこと ◇◆◇
このレンズのフードは、Nikonの50mm f/1.4や85mm f/1.4のような丸形フードではなく花形フードが付属していますが、フードを付けたまま前玉を下にして置いても安定するので、交換しながら使う際にも安心でした。
また、このレンズはフィルター径が77mmと大型ですが、Nikonの24-70mm f/2.8や85mm f/1.4Gと同じフィルター径の為、各種フィルターが共通で使えるのが良い点です。
私はスタジオの撮影ではエツミのbaLens(ホワイトバランスセッター)を使用していますが、これが共通で使えるのはかなりのメリットです。
◇◆◇ ポートレートでの使いどころ ◇◆◇
普段使用しているNikonの24-70mm f/2.8は解放F2.8から安心して使える描写のレンズで、ポートレートでこのレンズを使う時はF2.8〜F3.5くらいで使う事が多いです。
その中であえて画角調整のできない不自由な単焦点レンズを使うわけですから、やはり解放F1.4〜F2.8くらいの間で使用して、単焦点にしか出せないボケを味わうのが吉かなと思います。個人的にはF2前後が好きですし、よく使っています。
◇◆◇ まとめ ◇◆◇
買いです。
…の一言に集約してしまうのもアレなので以下補足
・屋内/屋外問わず、ポートレートに使いやすい画角
・シャープな描写と申し分のないボケ味
・Nikon純正よりは大きく重いが、AFはNikonより早い
・AF精度に不安があるものの、調整前提であればそれほど気にする必要はない
ポートレートレンズと呼ばれる85mm f/1.4よりもオールラウンドに使え、価格も85mmよりかなり安いので、ポートレート用の単焦点として最初に購入するならまずこちらでしょう。あとはNikon純正かこのレンズかという選択ですが、私はSIGMAを選択して満足しています。
※Nikonの85mm f/1.4GのレビューもGANREFの方でしていますので参考までにどうぞ
http://ganref.jp/m/yuria1224/reviews_and_diaries/review/1991
普段24-70mm f/2.8等の大口径ズームレンズを使用している人にも魅力的なレンズであることは間違いなく、2本目のレンズとしての購入候補筆頭です。
また、これからフルサイズに移行しようと考えている人で、最初のレンズに迷っている人へ。Nikonの24-70mm f/2.8もオールラウンドに使えるレンズで、1本目としては良い選択ですが、価格、大きさ、重さというネックがありますので、この50mm F1.4を1本目として考えるのも非常に良い選択だと思います。
何はともあれ、ポートレートを撮影する機会のある人には間違いなくオススメできるレンズです。買いましょう。
※今回はポートレートと題しているので上のように書きましたが、もちろんスナップなどの用途にも使いやすいレンズなので、写真を楽しむ万人にオススメします。
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